スプレッドシートには、多くの便利な関数がありますが、その中でも特に役立つのが「SORT関数」です。今回は、SORT関数について詳しく説明します。
SORT関数とは
SORT関数は、指定した範囲のデータを並び替えるための関数です。例えば、テストの成績を高い順や低い順に並べ替えるときや、名前をアルファベット順に並び替えるときに使います。
どんな場面で使うのか
SORT関数は、さまざまな場面で使われます。以下にいくつかの例を紹介します。
- 成績の並び替え: クラスのテスト結果を高い順や低い順に並べ替えるとき。
- 売上の並び替え: 1か月の売上データを高い順や低い順に並べ替えるとき。
- 名前の並び替え: 名前をアルファベット順に並べ替えるとき。
これらの場面では、データを見やすく整理することで、分析や比較がしやすくなります。
SORT関数の基本的な使い方
使い方の手順
SORT関数の使い方はとても簡単です。以下の手順で使えます。
- セルを選ぶ: 並び替えたい範囲のセルを選びます。
- 関数を入力する: セルの範囲を指定して、SORT関数を入力します。
例えば、A1からA5までのセルを並び替えたい場合は、=SORT(A1:A5)
と入力します。
例
A1: 80
A2: 90
A3: 85
A4: 70
A5: 95
このとき、=SORT(A1:A5, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「70, 80, 85, 90, 95」となります。これは、範囲内のデータが昇順に並び替えられたからです。
SORT関数の具体例
例1: 数値の昇順ソート
例えば、次のようなデータがあります。
B1: 30
B2: 10
B3: 20
このとき、=SORT(B1:B3, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「10, 20, 30」となります。これは、範囲内のデータが昇順に並び替えられたからです。
例2: 数値の降順ソート
次に、次のようなデータがあります。
C1: 15
C2: 5
C3: 25
C4: 35
C5: 45
このとき、=SORT(C1:C5, 1, FALSE)
と入力すると、結果は「45, 35, 25, 15, 5」となります。これは、範囲内のデータが降順に並び替えられたからです。
例3: 文字列のアルファベット順ソート
次に、次のようなデータがあります。
D1: “Banana”
D2: “Apple”
D3: “Cherry”
このとき、=SORT(D1:D3, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「Apple, Banana, Cherry」となります。これは、範囲内のデータがアルファベット順に並び替えられたからです。
SORT関数の応用例
例1: 複数列を使ったソート
複数の列を使って並び替えることもできます。例えば、次のようなデータがあります。
E1: “John”, 90
E2: “Alice”, 80
E3: “Bob”, 85
このとき、=SORT(E1:F3, 2, TRUE)
と入力すると、結果は「Alice, 80; Bob, 85; John, 90」となります。これは、2列目の数値で並び替えられたからです。
例2: 条件付きソート
条件付きで並び替えるときは、FILTER関数と組み合わせて使います。例えば、次のようなデータがあります。
F1: 10
F2: 20
F3: 30
F4: 40
F5: 50
このとき、「20以上の数値を並び替えたい」ときは、=SORT(FILTER(F1:F5, F1:F5>=20), 1, TRUE)
と入力します。結果は「20, 30, 40, 50」となります。
例3: データの一部をソート
データの一部だけを並び替えるときもSORT関数を使います。例えば、次のようなデータがあります。
G1: 5
G2: 15
G3: 25
G4: 35
G5: 45
このとき、=SORT(G2:G4, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「15, 25, 35」となります。これは、指定した範囲だけが並び替えられたからです。
SORT関数を使用する際の注意点
空白セルの扱い
SORT関数は、空白セルを無視します。例えば、次のようなデータがあります。
H1: 10
H2:
H3: 20
H4:
H5: 30
このとき、=SORT(H1:H5, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「10, 20, 30」となります。空白セルは無視されます。
ソート後のデータ参照
ソート後のデータは新しい順序で表示されますが、元のデータは変更されません。例えば、次のようなデータがあります。
I1: 30
I2: 20
I3: 10
このとき、=SORT(I1:I3, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「10, 20, 30」となりますが、元のデータは「30, 20, 10」のままです。
SORT関数と他の関数との組み合わせ
SORTとFILTER関数
SORT関数とFILTER関数を組み合わせることで、条件付きのデータを並び替えることができます。例えば、次のようなデータがあります。
J1: 10
J2: 20
J3: 30
J4: 40
J5: 50
このとき、「30以上の数値を並び替えたい」ときは、=SORT(FILTER(J1:J5, J1:J5>=30), 1, TRUE)
と入力します。結果は「30, 40, 50」となります。
SORTとQUERY関数
SORT関数とQUERY関数を組み合わせることで、より複雑な条件付きのデータを並び替えることができます。例えば、次のようなデータがあります。
K1: “John”, 90
K2: “Alice”, 80
K3: “Bob”, 85
このとき、「名前がBから始まる人の成績を並び替えたい」ときは、=SORT(QUERY(K1:L3, "SELECT * WHERE K CONTAINS 'B'", 1), 2, TRUE)
と入力します。結果は「Bob, 85」となります。
SORT関数のよくあるエラーとその対処法
エラー1: #VALUE!
このエラーは、SORT関数の範囲内に無効なデータが含まれているときに発生します。例えば、次のようなデータがあります。
L1: 10
L2: “文字列”
L3: 20
このとき、=SORT(L1:L3, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「#VALUE!」となります。これは、範囲内に無効なデータが含まれているからです。
対処法: 無効なデータを削除するか、数値に変更してください。
エラー2: #REF!
このエラーは、SORT関数の範囲が正しく指定されていないときに発生します。例えば、次のようなデータがあります。
M1: 10
M2: 20
M3: 30
このとき、=SORT(M1:M4, 1, TRUE)
と入力すると、結果は「#REF!」となります。これは、指定した範囲に存在しないセルが含まれているからです。
対処法: 範囲を正しく指定し、存在しないセルを含めないようにしてください。
SORT関数のショートカットと便利技
ショートカットキー
SORT関数の入力を簡単にするためのショートカットキーがあります。
- Windows:
Alt + D, S
- Mac:
Command + Shift + T
このショートカットを使うと、すぐにデータの並び替えを行うことができます。
オートフィル機能
ExcelやGoogleスプレッドシートには、オートフィル機能があります。この機能を使うと、範囲を自動的に選択して並び替えを行うことができます。
使用例: A1からA10までの範囲を選択して、オートフィル機能を使うと、データを簡単に並び替えることができます。
SORT関数を使えば、データを見やすく整理して、分析や比較を簡単に行うことができます。ぜひ、この便利な関数を使いこなして、スプレッドシートをもっと活用してください!