スプレッドシートには、多くの便利な関数がありますが、その中でも特に役立つのが「MIN関数」です。今回は、MIN関数について詳しく説明します。
MIN関数とは
MIN関数は、指定した範囲内の数値の中で最も小さい値を見つけるための関数です。例えば、クラスのテストの最低点を調べるときや、売り上げの最低額を知りたいときに使います。
どんな場面で使うのか
MIN関数は、さまざまな場面で使われます。以下にいくつかの例を紹介します。
- テストの最低点: クラスのテスト結果の中で最低点を見つけるとき。
- 売上の最小値: 1か月の売上データの中で最も低い売上額を見つけるとき。
- スポーツの記録: チームの試合成績の中で最低得点を調べるとき。
これらの場面では、最小値を見つけることでデータの中で一番重要な部分を把握することができます。
MIN関数の基本的な使い方
使い方の手順
MIN関数の使い方はとても簡単です。以下の手順で使えます。
- セルを選ぶ: 最小値を求めたい範囲のセルを選びます。
- 関数を入力する: セルの範囲を指定して、MIN関数を入力します。
例えば、A1からA5までのセルの最小値を求めたい場合は、=MIN(A1:A5)と入力します。
例
A1: 80
A2: 90
A3: 85
A4: 70
A5: 95
このとき、=MIN(A1:A5)と入力すると、結果は「70」となります。これは、範囲内の最小値が70だからです。
MIN関数の具体例
例1: 単純な最小値の計算
例えば、次のようなデータがあります。
B1: 10
B2: 20
B3: 30
このとき、=MIN(B1:B3)と入力すると、結果は「10」となります。これは、範囲内の最小値が10だからです。
例2: セルの範囲を使った最小値の計算
次に、次のようなデータがあります。
C1: 5
C2: 15
C3: 25
C4: 35
C5: 45
このとき、=MIN(C1:C5)と入力すると、結果は「5」となります。これは、範囲内の最小値が5だからです。
MIN関数の応用例
例1: 条件付きの最小値計算（MINIFS関数）
条件付きで最小値を求めるときは、MINIFS関数を使います。例えば、次のようなデータがあります。
D1: 10
D2: 20
D3: 30
D4: 40
D5: 50
このとき、「20以上の数値の中で最小値を求めたい」ときは、=MINIFS(D1:D5, D1:D5, ">=20")と入力します。結果は「20」となります。これは、条件を満たす数値の中で最小値が20だからです。
例2: 複数の範囲の最小値を計算
複数の範囲の最小値を求めるときは、MIN関数を組み合わせて使います。例えば、次のようなデータがあります。
E1: 5
E2: 15
E3: 25
F1: 10
F2: 20
F3: 30
このとき、=MIN(E1:E3, F1:F3)と入力します。結果は「5」となります。これは、両方の範囲の中で最小値が5だからです。
MIN関数を使用する際の注意点
無効なデータの扱い
MIN関数は、数値以外のデータを無視します。例えば、次のようなデータがあります。
G1: 10
G2: 20
G3: “文字列”
G4: 30
このとき、=MIN(G1:G4)と入力すると、結果は「10」となります。これは、数値の中で最小値が10だからです。
空白セルとゼロの扱い
空白セルは無視されますが、ゼロが入っているセルは計算に含まれます。例えば、次のようなデータがあります。
H1: 10
H2: 0
H3: 20
H4:
このとき、=MIN(H1:H4)と入力すると、結果は「0」となります。これは、数値の中で最小値が0だからです。
MIN関数と他の関数との組み合わせ
MINIFS関数
MINIFS関数は、特定の条件に合う数値の中で最小値を求める関数です。例えば、次のようなデータがあります。
I1: 10
I2: 20
I3: 30
I4: 40
I5: 50
このとき、「30以上の数値の中で最小値を求めたい」ときは、=MINIFS(I1:I5, I1:I5, ">=30")と入力します。結果は「30」となります。これは、条件を満たす数値の中で最小値が30だからです。
SMALL関数
SMALL関数は、指定した順位の数値を返す関数です。例えば、次のようなデータがあります。
J1: 10
J2: 20
J3: 30
J4: 40
J5: 50
このとき、「2番目に小さい数値を求めたい」ときは、=SMALL(J1:J5, 2)と入力します。結果は「20」となります。これは、2番目に小さい数値が20だからです。
MIN関数のよくあるエラーとその対処法
エラー1: #VALUE!
このエラーは、MIN関数の範囲内に無効なデータが含まれているときに発生します。例えば、次のようなデータがあります。
K1: 10
K2: “文字列”
K3: 20
このとき、=MIN(K1:K3)と入力すると、結果は「#VALUE!」となります。これは、範囲内に無効なデータが含まれているからです。
対処法: 無効なデータを削除するか、数値に変更してください。
エラー2: #NAME?
このエラーは、MIN関数のスペルミスや、関数の前にイコール（=）を入れ忘れるときに発生します。例えば、次のようなデータがあります。
L1: 10
L2: 20
L3: 30
このとき、=MIN(L1:L3)と入力すると、結果は「#NAME?」となります。これは、関数名が正しく入力されていないからです。
対処法: 正しい関数名を入力し、必ずイコール（=）から始めてください。
MIN関数のショートカットと便利技
ショートカットキー
MIN関数の入力を簡単にするためのショートカットキーがあります。
- Windows:
Alt + = - Mac:
Command + Shift + T
このショートカットを使うと、すぐにMIN関数を入力できます。
オートフィル機能
ExcelやGoogleスプレッドシートには、オートフィル機能があります。この機能を使うと、範囲を自動的に選択して最小値を計算してくれます。
使用例: A1からA10までの範囲を選択して、オートフィル機能を使うと、最小値を計算することができます。
MIN関数を使えば、数値の中で最も小さい値を簡単に見つけることができます。